バッグからスマホを取り出して画面を開くと案の定ユズから何件も連絡が来ていた。
「……折り返しかけたら?」
「そうですね、ちょっとすみません」
連絡先からユズのアカウントタップして電話を掛けるとすぐに出てくれた。
『翠!?』
「もしもし?ごめん、ユズ」
『もう!本当に心配したんだからね!』
体調を崩して寝込んでいた事を伝えるとユズは『もう大丈夫なの?』と聞いてくれた。
「もう熱も下がったから大丈夫!心配しないで」
『家行こうか?1人じゃ心細いでしょ?』
「え、あ、いや大丈夫大丈夫!」
理人さんの…、男の人の家に居るって言ったら大変な事になりそう。
…ごめん、ユズ!今度詳しく話すから許して!
大丈夫だという事を伝えるとなんとか安心してくれたのかそのまま電話は終わった。
寝室から出ると理人さんはカウンター席に座ってスマホを触っていた。
「…終わった?」
「はい。遊んでた途中で急に解散しちゃったから凄く心配させてしまってたみたいです」
「そっか」

