ひんやりと冷たいアイスをひと口食べると、バニラの甘みと少しシャリッてした氷の粒が美味しかった。
「食べれそう?」
「久しぶりにバニラアイス食べました…。美味しいです」
「それは良かったわ」
ベッドの横に丸椅子を置いて、そこに座った理人さんはアイスを食べる私を見て優しく微笑んだ。
ぬくぬくとしたパジャマに冷たいアイス。
心地良いくらいだった。
……ぬくぬくとしたパジャマ、?
「きっ!?」
「え?“き”?」
「着替えって、誰がっ、」
「え?俺だけど。雨でびしょ濡れだったし、そのままにしとくわけにはいかねぇだろ」
「それはっ、…そうですけど…」
「別に、何気にして……。ぁ、いや、出来るだけ見ないようにはしたから、その…」
見られた。見られたんだっ…。
気まずそうに顔を逸らした理人さん。
不可抗力だけど、死ぬほど恥ずかしいっ。
「きゅ、急にぶっ倒れられて俺もそんな事気にする暇なかったわ!」
「すみません…」
沈黙が流れ、気まずくてアイスを頬張った。
強い視線を感じて理人さんを見るとバチッと目が合ってしまった。

