幼い頃に両親は離婚し、私は母と一緒に住むことになった。
だけど仕事ばかりだった母と急に毎日顔を合わせることになり、うまが合わず気まずくなっていく日々。

最初こそ私だって努力はしたのだ。

テストで100点を取ったり、校内受賞した絵を見せたり褒められるような事、私を見て貰えるような事は思いつく限り沢山やってきた。

その度に返ってくるのは興味を示さない淡白な返事。

そしていつしか母は仕事を中心にし、月に1度だけ1ヶ月分のお金を持って帰ってくるのみで滅多に帰って来なくなった。


その事を柚季は知っているし、今思えば両親が離婚してから私はユズに色んな所に連れ回されている。
彼女なりの気遣いだったのかもしれない。


用意を終え、待ち合わせ場所に行くとユズはもう既に待っていた。