大きな坂を登っていくとやがてモノトーンの一軒家が見えてくる。 途中でユズと解散し、後で会うことになった。 家の駐車場には車は停まっていない事にホッとしている自分がいる。 鞄から鍵を取り出して家の中に入ると案の定誰も居なかった。 私はいつから「ただいま」を言わなくなったんだろう。 まだ暑い日が続いているというのに、家の中はひんやりとしていて冷たかった。 白を基調とした家の中の小洒落たインテリアは全て母の趣味。