「…真面目な人が未成年でクラブに行くのかな」

「も、翠ってばぁ!」


教室を出るとムワッとした空気が体に纏わりついた。

職員室に日誌を届け靴箱までの道のりに駄々を捏ね続けるユズを無視して歩いて行く。


「…っていうか、今日部活は?」

「あぁ、今日休みなの。顧問は出張だし外部コーチは熱でダウン」

「へぇ」

「部長がせっかくだから今日は休みにしようって。ほら、うちって別に強豪校でもないして真面目にやってる訳じゃないからさ」

「……」

「…あ、いやっ、真面目よ!?たまには休息も必要でしょって話!!」

「ふぅん…」


ユズは女子バスケ部に入っていて、テスト期間中以外はこうして一緒には帰れない。

私よりも友達が多いユズは入学早々に体験入部で先輩達の口車にまんまと乗せられ、興味本位で入ったらしい。

学校から出て最寄りの駅まで歩くと駅内には同じ制服を着た子達がちらほらと居た。