「おはよー」
「おはよ」
いつも通り駅で電車を待っていると、いかにも眠そうな顔をしたユズが後ろから声をかけてきた事に気付いた。
「いやぁ、やっと金曜日かよって感じ。1週間長すぎ」
「休みの日は一瞬なのにね」
「マジであの現象なんなの?」
2人で他愛もない会話をするこの時間は嫌いではない。
「あ、そういえば今日ウチでタコパすんだけど翠も来ない?」
「え、でもいいの?私が行っても」
「ダメなわけないでしょ。久しぶりに兄ちゃんも帰ってくるんだよ」
「だったら尚更じゃん。私居ない方がいいでしょ」
「ばか」
こんな風に時々、日野家に誘われる事がある。
ユズとは幼なじみなだけあってユズのお母さんとお父さんとは昔からお世話になっている顔馴染みなのだ。
「たこ焼きパーティーなんだから、人は多い方が楽しいでしょ!」
「…うん、じゃあ行きたい」
「素直でよろしい」
私の返事にユズは嬉しそうに笑った。

