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1月の共通テストを無事に終え、2月にあった2次試験もやっと終える事が出来た。
受験から解放された私を、佐伯さんはお母さんと一緒に焼き肉屋さんへ連れて行ってくれた。
このままいけばきっと、合格したらお祝いで何処か連れて行ってくれそうな勢い。
それくらい、なんとなく佐伯さんが私の事も考えて思ってくれている事を感じた。
『……翠?』
「あ、理人さん?」
卒業式を目前としたとある日の夕方。
この後仕事があるはずの理人さんからの珍しい電話。
「どうかしたんですか?」
『んや、2月頭に墓参りに行ってさ…』
今年は命日に行けたようで、依織さん達と一緒にお墓参りに行ったらしい。
今年は『着いてきてほしい』と言われなかった事に寂しさを覚えたが、私は受験生でそれどころじゃないと理人さんなりに思っていたらしい。
『…それでさ、帰りに急に依織くんが泣き出してめちゃくちゃビビったんだよ』
初めてあんなに泣いているところを見た。
そう理人さんは言った。
理人さんが雨音さん達のお墓に手を合わせているのを見て、帰りについ感情が溢れてしまったらしい。
1月の共通テストを無事に終え、2月にあった2次試験もやっと終える事が出来た。
受験から解放された私を、佐伯さんはお母さんと一緒に焼き肉屋さんへ連れて行ってくれた。
このままいけばきっと、合格したらお祝いで何処か連れて行ってくれそうな勢い。
それくらい、なんとなく佐伯さんが私の事も考えて思ってくれている事を感じた。
『……翠?』
「あ、理人さん?」
卒業式を目前としたとある日の夕方。
この後仕事があるはずの理人さんからの珍しい電話。
「どうかしたんですか?」
『んや、2月頭に墓参りに行ってさ…』
今年は命日に行けたようで、依織さん達と一緒にお墓参りに行ったらしい。
今年は『着いてきてほしい』と言われなかった事に寂しさを覚えたが、私は受験生でそれどころじゃないと理人さんなりに思っていたらしい。
『…それでさ、帰りに急に依織くんが泣き出してめちゃくちゃビビったんだよ』
初めてあんなに泣いているところを見た。
そう理人さんは言った。
理人さんが雨音さん達のお墓に手を合わせているのを見て、帰りについ感情が溢れてしまったらしい。

