巾着型になっていた袋の紐を解いて開けると、オシャレなキーケースが入っていた。
「可愛い…」
「そう?大丈夫だった?」
「うん、お洒落で可愛いです」
大人っぽくて可愛らしいキーケース。
早速鞄から家の鍵を取り出して付けて見せると理人さんは嬉しそうな表情をしていた。
「大学合格出来たら、合鍵あげる」
「えっ!」
「だから頑張れよ」
「うん!!」
理人さんは私のやる気スイッチを押すのが上手い。
シャラシャラと貰ったキーケースを見ていると、「被りなさい」とヘルメットを渡された。
「俺も、車の免許取ろうかなぁ」
「え、車?」
「そう。こういう時、バイクより車の方がやっぱいいだろ?」
身体が剥き出しになっているバイクより、車の方が安全だと呟いている理人さん。
「給料も上がったし、考えてみよっかなーって思って」
「じゃあ私も車の免許取ろうかな」
「え?なんで?」
「そしたら交互に運転出来て、ちょっと遠出もできますよ」
きっと楽しい。
車の中で流行ってる音楽を流して口ずさみながら笑いあったりなんかして。
「そうだな」
理人さんも同じことを思ってくれたのか、微笑みながら優しく頭を撫でてくれた。

