「ていうか、本当に誕生日プレゼントいらなかったんですか?」
「いい。会えれば」
「物欲ないの?」
「会えればいい」
「…はいはい」
最近ずっと思っていたけど、理人さんは結構甘えたなところがある。
「………もっと会えねぇの?」
…あぁ、出た。上目遣い。
自覚しているのかいないのか、そのあざとさの効果は抜群だ。
「あと少しで受験生終わりですよ」
「早く終われ…」
「まだクリスマスにもなってないのに」
「今年もクリパするんだって奏汰がうるさかった。翠も来る?」
「ん〜、どうだろう。午前中は予備校だし、夜からなら多分…」
「………なんで受験生なんだよ…」
街はすっかりクリスマスモードで至る所がイルミネーションでキラキラ輝いている。
「おのれ受験…」
「理人さんだって忙しくしてるくせに」
「覚える事がまだあんだよ」
「お互い頑張らないとね」
「真面目か」

