『依織くん?』
朱音さんも理人さんも何だろうと思って依織さんを見ていると依織さんは『全員が居るこの場で言いたいことがあってな』と改まった。
『理人』
『?、はい』
『お前にSTRAY CATSを任せたいと思ってる』
『…は!?』
びっくりしている理人さんの声が店内に響いた。
理人さんは珍しく目を見開いて私を見ている。
それは、私のお母さんからの条件。
─────『職業は問わないからきちんと仕事をして、翠の事を幸せに出来るなら許してあげる』
その言葉をこんなにも早く叶えられるなんて。
『ま、まずは社員として働けよ。ゆくゆくは俺のポジションに昇格してやるから』
『い、いいのかよ』
『何言ってんだよ。お前がバイトから社員になりてぇって言ったんだろ?』
『や、そうだけど!でも、依織くんのポジションまでとは…』
理人さんは理人さんで、お母さんの言葉を叶えようとしてくれたんだ…。

