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「あ、翠ちゃん…。理人は?」

「まだ気持ちの整理がつかないみたいで先に帰られました」

「そっか…」


一緒に戻って詳しく話を聞こうと提案したけれど、理人さんは『もう少しだけ時間が欲しい』と帰ってしまった。


「理人さんはご両親の事より依織さんの心配をしてましたよ」

「え?」

「薬を飲む程抱えていた事に気付けなかったと」

「…そんなの、別に俺は……」

「もう少しだけ理人さんに時間をあげてください。きっと、大丈夫ですから」

「そうだな…」


理人さんに必要なのは多分“時間”。
でも彼なら、愛されている彼ならきっと大丈夫。


「今日はごめんな。そしてありがとう」

「いえ、私は何も…。あ、そういえば」

「ん?」

「雨音さんが失礼な奴だって言ってましたよね?」

「え?あぁうん。やな奴だろ」

「きっと、依織さん達に迷惑かけたくなかったんじゃないですかね」

「迷惑?」