冬休みも終盤になり、ついに年が明けた。
年越しは例年通りユズと2人で初詣に行き、その時にこの間のクリスマスの事を話すと自分の事のように喜んでくれた。


「冬休みの課題終わってるの?」

「まだ後何個か残ってる…」

「今年は手伝わないからね〜」

「えっ、翠!待ってよ!」


呆気なく新学期は始まり、数週間ぶりの通勤ラッシュ時間に乗る電車は相変わらず人で溢れていた。


「ね、理人さんとはその後どうなの?」

「冬休みはあんまり会えなかった。繁忙期らしくて」

「あぁ、クリスマスにお正月だもんね」

「でも連絡はマメに返してくれてる」

「何それ絶対脈アリだって!」

「えぇ?でも私振られたようなもんだし…」


冬休みの間、会えなかったせいかあの時の私の告白について理人さんは全く触れない。

…無かったことに、されているのかもしれないと薄々感じていた。