カウンター奥にある裏口へと回るドアを開けてついでにゴミも捨てたり。
なんでも完璧に見える朱音はあぁ見えて少し天然なところがありどこか抜けている。
そんな時だった、カランカランとドアが開く音が聞こえたのは。
確か外には《CLOSE》の看板を出していたはず。
明かりがつけてたから入って来たのか?
出入口であるドアの鍵を最初に見るべきだったな、と思いながらドアを開けた。
「すみません、今日の夜は営業休みで……、」
天井の微かな明かりだけでも分かった。
というか、それでも十分なくらいにそれが誰なのか分かった。
「え」
俺を見た瞬間に大きく目を開き驚いている彼女。
半袖だった制服はいつの間にか長袖に変わっていてなんとなく雰囲気も変わっていた。
「なんで居るんだよ」
「…奏汰さんに、呼ばれて…」
無かった事にされたわけじゃなかったのか。
奏汰の割に妙に大人しいと思っていたらこういう事だったのか。

