ラーメンを食べ終えた後、ベッドに再び潜り込み動画の続きを見ながら寝落ちしてしまったらしい。
窓の外を見るともう既に日は落ち薄暗くなっていた。
今日は確かバーの営業はないって言ってたな。
店主は朱音とはいえ、その2階に住んでいるのは俺なのでいつも夕方になると戸締りの再確認をするのは俺になっていた。
以前、朱音がカギをかけ忘れて夜中に酔っ払いが侵入したのがきっかけだった。
警察を呼ぼうにもこの店のバックアップをしてくれているのは依織くん。
迷った挙句に選んだのは依織くん本人だった。
『こういう時は遠慮なく警察呼べ!バカタレ!!』
『いやでも、依織くんが…』
『俺より自分を優先しろ!!』
鍵をかけ忘れた朱音も珍しく怒られ、何も悪くないはずの俺も一緒に怒られた。
帰り際までブツブツと小言を言われ続け、2人してこのルールを設けたのだ。
1階に降り、カウンター席の天井だけ電気をつけてガス栓も見ていく。

