「良かったな、仲直り出来て」
絞り出すように言葉を出した。
素っ気なくなかっただろうか。
素直にそのまま彼女に届いただろうか。
「ほんとに、理人さんのおかげです」
屈託のない笑顔に胸が締め付けられた。
油断したら情けない事を言ってしまいそうで、平静を装いながらいつものようにアイスを奢った。
「今度私もお礼させてください」
「いーよ、そんなの」
もう会いたくない。
会えない。
どんな顔をすればいい?
「理人さんが勇気をくれたので」
汚れを知らないその真っ直ぐな目をもう見たくない。
俺とコイツが一緒だなんて、本当に笑える。
柄にもなく人助けなんかしたからこんな、……こんな情けない思いをしてしまったんだ。
必要以上に構って、優しくして、相談に乗って。
生まれてから何も不自由なく育ってきたような彼女が、ほんの一瞬だけ暗い顔を見せたから。
「…いいよ、マジで」
俺は馬鹿だ。

