First Light.

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依織くん達が帰った後、一緒に2階へと戻った俺達。
翠が居るソファへと座り直し、昨日一体何があったのか聞いた。


「多分、新しい人?彼氏なのかなぁ」


無理に笑う口元に反して、目は涙目で真っ直ぐにテレビへ向いていた。
涙が落ちないように瞬きをせずに。


…なんだよ。
親がいても、こんなに孤独を感じるのかよ。


生まれた時から親がいなかった俺と、同じようなもんじゃねぇか。

あの時に感じた妙な親近感はコレだったのか。


「お前が今思ってる事とか言いたい事全部ら母親に話した方がいい」


涙目の翠にそれらしい事を言って、数個しか変わらないのに年上として偉そうな事も言って。

無理ですよ、と感情的になっていく珍しいその姿に余裕のなさを感じた。


…大丈夫。
本当に独りになってしまっても俺がいるから。


「怖いなら俺も一緒についてってもいい」


…大丈夫。きっと。



大丈夫。