「付きっきりで看病してたんだって?」
「うっせ」
「相手、何歳なんだよ」
「…こーこーせい」
「おまっ、犯罪じゃねぇか」
「別に、そんなんじゃねぇっつの」
「……ま、良いんじゃねぇの?」
「何がだよ」
「久しぶりに聞いた。お前の浮いた話」
「…言い方がジジイなんだよ」
「アラフォーなんだから当たり前だろうが」
「きも」
「だからお前はいつまで経ってもガキなんだよ」
ガシガシと撫でられる頭。
いつまでも子供扱いしてくる依織くんにも、朔良さんにも腹が立つ。
「朔良さんも喜んでたぞ」
「は、言うなよ!」
「いずれバレるんだから無駄だろ」
「…気になってんのはマジだけど、別にそういうんじゃねぇんだって」
「?、じゃあ何だよ」
…何だよって。アイツは高校生で、俺よりもまだ子供で、危なかっしくて。
「…保護者的目線?」
「んだよそれ」
「似てんだよ、昔の俺に。なんか、どことなく」
「…お前に?」
「だから、色恋云々じゃねぇの!」
…そうだ、これは保護者的目線なのだ。
「へえ。じゃあ、その子に彼氏が出来たらどうすんだよ」
「…どうもしねぇよ。“おめでとう”だよ」
「お前、昔から嘘つけないの気付けよいい加減」
「は!?」
「顔に全部出てる」
あいつに彼氏とか、そんな事考えた事なかった。
…ていうか、そもそも今いないとは限らない。
これが恋かどうかは置いといて…、いやいや。
“保護者的目線”から言うと他所の男に娘をやる感じに似ている。

