翠の容態を気にしつつ昼間っからの依織くんの呼び出しに応える為に外出していた。
俺の代わりに朱音が看病してくれていて逐一メールが送信されてくる。
《だいぶ熱下がってる》
その一言にホッとした。
「おい、理人」
「あ、依織くん」
呼び出しの時に使う待ち合わせ場所はいつもの喫茶店。
先に着いていた俺のテーブルに少し遅れてやって来たのは不機嫌そうな依織くん。
「お前、昨日の無断欠勤何?」
「あ」
「体調崩してそうでもねぇし」
…やべぇ。連絡すんの完全に忘れてた。
「いやぁ、まぁ諸事情が」
「いい加減にしねぇとクビにすんぞ」
「それは困る」
「…ったく。翠ちゃんだろ?」
「…………は?」
「この前お前にオキニが出来たって奏汰言ってたじゃねぇか」
「………」
…くそ、やっぱり覚えてたのか。
「連絡がつかねぇお前心配して店行ったら朱音が教えてくれました」
やって来た店員に「アイスコーヒー2つ」と慣れたように注文し依織くんの目線が俺へと移る。

