翠を抱きかかえ、急いで2階へと上がり目の前にあったソファへと寝かせた。
全身が濡れていて、苦しそうに「はぁはぁ」と呼吸をしていた。
看病なんかした事がない。
どうすれば……。
救急車を呼ぶか?
ぐったりとしている翠にブランケットを掛け、近くに住んでいる朱音の家へと駆け込んだ。
「……なんだよ、」
「す、翠が!翠が!!」
「はぁ?スイ?…あぁ、翠ちゃんが何?何かあったのかよ?」
しつこくチャイムを鳴らし怠そうに出てきた朱音。
こいつは昔から目覚めだけは機嫌が悪い。
「翠が、店の前に居て、…倒れて!!熱があって、俺、何、救急車呼ぶべきか!?」
「……落ち着けって、一緒に行くから。お前の部屋に居んだろ?」
「お、おう」
そこからは早かった。
朱音の指示通りに濡れた温かいタオルを用意したり、再びコンビニまで走ったり。
「…着替えさせた方がいいな。理人、お前がやれ」
「は、なんで俺」
「女の子なんだから、あんまり仲良くない俺がやるのは嫌だろ」
「……でも、」
「翠ちゃんは赤ちゃんじゃないんだから構えてないで早くやれ馬鹿」

