First Light.



それから数日経ったある日、妙に目が覚めてしまった俺は近くのコンビニに行ったその帰り。
突然降り出した雨のせいで傘を買う事になってツイてないなと思いながら家へと向かう。


ドアから離れた軒下に突然降ってきた雨のせいでびしょ濡れの女らしき人がしゃがみ込んでいた。


…他人の家の前で何してんだこいつ。


1階は店になっているとはいえ、2階部分は俺の部屋だ。
ていうか《CLOSE》と看板を出しているのに。

1歩、また1歩と恐る恐る近付いて行くたびに、その女がどこか見覚えのある人物だと気付いた。

いやまさか、と思いながら足を進めこれ以上濡れないように傘を差し出して声をかけた。


「そこで何してんの?」


俺の声にビクッと肩が揺れた。
すると、ゆっくりと顔を上げた女。


「…はっ?お前……」

「り、ひと…さん」


絞り出したような掠れた小さな声。
こいつらしくない。

スっといきなり立ち上がったかと思えば、グラリとよろけて倒れそうになった彼女を思わず支えた。


…体が熱い。もしかして。


「…とりあえず中入れ。お前熱あんぞ」