その日から彼女の事が気になって、気付けばあのコンビニへ向かっていた。
たまに会っては学校の話や特定の友達の話をして満足気に帰って行くその背中を見て俺も帰る、という日を繰り返していた。
俺は頷くだけなのに、気にしていないのか自分が話したいのか沢山の話をしていて。
「はぁ!?理人にお気に入りの女ァ!?」
「うっせぇ…。叫ぶな、」
朱音の店でカウンターに座り持っていたグラスをテーブルにダンっと置いた。
真横には酒を飲んで出来上がった奏汰。
「なんだなんだァ?連れて来いよ、水くせぇなぁ!依織様が見定めてやるよ」
「何言ってんすか、別にそんなんじゃ…」
依織くんに勧められるまま、次々と酒を飲んで俺も大抵酔っ払っていた。
揺れる視界の中で、依織くんは容赦なくもう1杯と酒を注いでいく。
「……ただ、ちょっと、」
「「ちょっと?」」
「おい、理人?大丈夫か?…ほら依織くんも奏汰も飲み過ぎなんだよ!」
…ちょっと、俺に似てるなって思ったんだよ。

