「……お前が…」
「由良」
「………」
「あの…、俺の顔に何か付いてます?」
あまりにもじっと見られて、流石に依織くんに助けてくれと視線を送った。
「…由良、そのくらいにしてやれ」
「依織、凄いね。コレ」
「うるせぇ黙れ。用事済んだならとっとと帰れ」
いつにも増して不機嫌な依織くん。
その原因は一体何なのか、俺が今日呼び出されたのが原因なのか。
そうだとしたら俺の命日は今日なんだと思う。
由良さんは俺から依織くんに視線を移した後、意味深にニヤリと笑ってまた俺を見直し「またな、理人くん」と言い残して立ち去って行った。
「あの、」
「別に今日は説教する為に呼んだんじゃねぇよ」
「え、そうなんすか」
「もうお前も20歳だし、な」
「え?」
「…いや、たまにこうして会ってやんねぇとな、って思ってさ。お前は寂しがり屋だから」
いつもとは違う妙な雰囲気の朔良さん。
何か言いたげで、でも迷っているのかそれ以上何も言わない。
「別に寂しがり屋じゃないし」
「嘘つくなお前」
「嘘じゃねぇし!」
「はいはい」

