First Light.

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高校3年生にもなり、俺は施設を卒業するところまできていた。



『よお、理人』

『げ。また来たのかよ』

『あー?嬉しいくせに、素直になれよ』

『ほぼ毎日会ってたら流石に飽きるわ』

『はぁ!?』



案の定卒業後の進路なんて決まっておらず。
進学しようにも金がないし、就職先もあてがない。



『お前ここ出た後どうすんだよ』

『どうするって何が?』

『進路だよ』

『逆に聞くけど、決まってると思う?』

『いや全く。どうせ決まってないだろうと思って、はいこれ』

『なにこれ』



手渡されたのはA4の数枚の紙。



『お前の就職先。俺の部下な』

『……は?』

『ここ俺が管理してるクラブ。お前雇ってやるから働けよ。ちょうど人手不足なんだよなぁ』

『マジで訳分かんねぇんだけど』



その紙には【STRAY CATS】と書かれていた。
そして契約書。



『ここはね、俺が朔良さんに任されて管理してるクラブでね?あ、クラブっていうのはね、』

『馬鹿にすんな、それくらい分かるわ!!』

『なんだよ。じゃあどこに引っかかってるんだよ』

『“部下”ってところが引っかかる』

『部下だろうが!!』



バコッ、と強い力で頭を殴られた。
あぁ、多分この時からだ。

依織くんが加減をしなくなったのは。