『…依織、先に行ってるからな』
『分かりました。コレが終わったら俺もすぐに向かいます』
朔良さんは厳つい顔の男を周りに引き連れて何処かへ行ってしまった。
殴られた俺に手を差し伸べるでもなく、声をかけることも無く。
『理人、立て。まだ終わってねぇだろ』
…勝てない。早くて動きに追いつかない。
手加減が一切される事無く、殴られる頬も腹も全身痛くてたまらない。
俺は一体何をしてるんだろう。
つかこいつは何者なんだよ。
なんで、久しぶりに会えたのに。
…なんで、こうなったんだ。
『…んだよ、お前ら』
『あ?何?はっきり喋ろよ』
視界がグラグラ揺れる。手足に力も入らねぇ。
自分が今情けない格好で立とうとしているのは分かっていた。
『っ、なんなんだよお前らは!!!』
それは俺の心の叫びだった。

