□□□


「……すみません、奏汰さん。協力してもらったのに」

『翠ちゃん、』

「駄目でした。もう……、いえ、相談に乗ってくれてありがとうございました」


ブツっと一方的に切った電話。
駅内のベンチに座って涙が乾くのをひたすら待つ。

何か言いかけた奏汰さんの言葉に止まりつつある涙がまた溢れそうになるのが嫌でシャットアウトした。


……もっと、理人さんの話を聞いていたらこうなる事はなかったのかもしれない。

いや、奏汰さんからあの話を聞いた時からもっと考えていればもしかしたら…。


今更いくら考えたって現実は変わらない。