「なんで!!!」
「…はぁ?お前を家まで送る義理なんて俺には、」
「なんで私の事無視するんですか!?」
ピクリと肩が揺れたのが分かった。
図星なのか、私のその問いかけに黙ったままの理人さんの表情は薄暗い店内じゃよく見えない。
「ずっと連絡が取れなくて、何か事故にでも遭ったんじゃないかって凄く心配したんですよ!?」
「…」
「いつもみたいにコンビニに行っても全然いないし、私理人さんに何かしましたか?」
最後に会った時は半袖を着ていたのに、今日は長袖で初めて会った時のように薄いカーディガンを羽織っているようだった。
「………多分、お前は何もしてない。いや多分じゃねぇな」
「だったらどうしてっ、」
「俺の問題だからお前は悪くないよ」
「俺の問題って、」
「お前に自分の事重ねてたんだよ」
カウンターの中にいる理人さんに近寄ろうとしたら、「来んな」と言われてしまって動けなくなった。

