「一応、理人さんの友達の連絡先は知ってるんだけど…」
「えっ、じゃあその人に聞いてみたらいいじゃん!」
コンビニで話すのはだいたい私で、理人さんはいつだって聞き手だった。
理人さんはなんとなくでも私の事を知っているのに、私は多分理人さんの事をよく知らない。
私が理人さんについて知っている事はアイスとバイクが好きな事、言葉には出さないけど朱音さんと奏汰さんの事を大切に思っている事。
「聞くのは翠の好きなようにしたらいいと思うけど、どちらにしても心配が勝ってるんでしょ?」
「うん、…ちょっと考えてみる」
「そうしな」
それと、捨て子だという事。

