「あ、家知ってるなら直接行ったら?1階がカフェになってるんでしょ?」
「そうだけど…、でもなんかキモくない?」
「んまぁ、確かに」
「もう、」
いつから来なくなったの?とユズに聞かれ理人さんのトーク画面を遡ってみると、夏休みが終わる少し前から段々とやり取りが減っていた。
パタリと来なくなったのは2週間ほど前。
「え、2週間も?」
「やだ、何その反応!」
「本当に身に覚えないの?」
「ないよ……。やっぱり事故か何かに巻き込まれたのかな…」
1日返信が来ない事はたまにあったけど、2週間も返って来なかったのは初めてだ。
いつもと違う様子に何かあったのでは、と心配になる。
なんせ彼は猫みたいにマイペースでどこか儚くていつの間にか居なくなりそうな、そんな雰囲気を持っているから。
「あぁ、それか家族に何かあって連絡してる場合じゃないとか?」
「……家族、」
理人さんにとっての家族は朱音さんと奏汰さん。
でもきっとユズが言っている家族は母親や父親の事だろう。

