「もー、何?」
1日の授業を終え、日誌を書いていると私の前の席に跨って座る幼なじみの日野 柚季がキラキラとした目で私を見つめていた。
「明日、祝日で休みじゃん?」
「そうだね」
「今日は多少遅くなっても許されるよね!」
「……マジで何?」
回りくどく言葉を続ける時は大抵ろくでもない事を考えてるのがこの子だ。
小さい頃からユズは好奇心旺盛で色んなことに興味を持ち、何も考えずに突き進んでいく子だった。
それだけで留まればいいが、ユズは幼なじみである私を巻き込むのだ。
小さい頃から内気で、横断歩道を渡る時はきちんと手を挙げるような私と信号が青になった瞬間に突っ走って行く柚季。
凸と凹が合うように妙に気が合うところもあって今日に至るが、ユズのこういうところが嫌いである。

