糸師くんを下の名前で呼ぶ、、、
わたしは照れながら、「陽向、くん。」と呼んでみた。
すると糸師くんは優しく微笑んで、「もう一回聞きたい。」と言う。
「、、、陽向くん。」
「奈央さん。」
「陽向くん。」
「奈央さん。」
お互いを呼び合い、何だか照れくさくてクスクスと笑い合うわたしたち。
陽向くんはわたしに向けて手のひらを見せると、「俺の手、触れますか?」と訊いた。
「今、手汗でベタベタだよ?」
「大丈夫です。」
わたしは陽向くんの言葉を信じ、タオルハンカチを握り締めてきた手を片方だけ離し、陽向の手のひらにそっと自分の手のひらを合わせた。
「、、、気持ち悪くない?」
わたしが不安気にそう訊くと、陽向くんは「気持ち悪いだなんて、思うわけないじゃないですか。おしぼり無しでも、俺に触れてくれるなんて嬉しいです。」と言った。
すると、陽向くんはベッドとわたしの首の隙間に腕を通し、わたしを腕枕すると、そっと抱き寄せ、わたしの頭を撫でた。
「本当は抵抗があるはずなのに、、、ありがとうございます。」
陽向くんの言葉に、わたしは涙が溢れてきた。
"ありがとうございます"だなんて、、、
それはこっちの台詞だよ。
ありがとう、、、
こんなわたしを受け入れてくれて、ありがとう。



