それからお風呂が沸くと、糸師くんはバスタオルと着替えの服を貸してくれた。
初めて入る糸師くんの自宅のお風呂。
そしてシャンプーをしている時、さっき糸師くんに抱き締められた時の良い香りがして、"あ、糸師くんの匂いだ"と思いながら、洗っていった。
お風呂から上がり、フワフワのバスタオルで身体と髪の毛を拭き、糸師くんから借りたTシャツを着る。
わぁ、分かってはいたけど、サイズ大きい。
わたしが糸師くんのTシャツを着ると、ワンピース状態になってしまっていた。
「糸師くん、上がったよ〜。」
そう言いながらリビングへ行くと、良い匂いがして、ふとキッチンの方を見ると、糸師くんがキッチンに立ち、何かを作っていた。
「あ、松雪主任。ちゃんと温まりましたか?」
「うん、お風呂気持ちよかったよ。ありがとう。」
そう言いながらわたしはキッチンを覗き、糸師くんのそばまで歩み寄った。
「何作ってるの?」
「炒飯です。夜飯まだだったので、こんなので申し訳ないですけど、食べませんか?」
「食べる!糸師くんって、料理出来るんだね!」
「ずっと一人暮らしですからね。」
糸師くんはそう言って、手際良く炒飯を作っていく。
そんな姿もかっこよくて、ついつい料理をする糸師くんの姿を見入ってしまった。
「はい、出来ましたよ。」
糸師くんが作った炒飯は、まるでお店で出てくるような見た目の炒飯で、わたしは「わぁ!美味しそう!」と驚きと共に感動した。
「温かいうちに食べましょう。」
「糸師くん、お風呂は?」
「俺は飯を食べ終わってから、ササッと入って来るので。」
そして、わたしたちは隣り合って座り、「いただきます。」と手を合わせると、スプーンで炒飯を掬い上げ、口へと運んだ。
「どうですか?」
不安気にわたしの反応を見る糸師くん。
パラパラで丁度よい味の濃さにふんわりとした玉子の風味。
わたしが「美味しい!」と言うと、糸師くんはホッとした表情で「良かったぁ。」と言うと、自分も炒飯を食べ始めた。



