その週末の土曜日。
わたしは、糸師くんとデートの約束をしていた。
しかし、当日、、、
「何で、雨降るかなぁ、、、」
わたしは朝カーテンを開け、曇り空に雨が降る外を眺めながら呟いた。
せっかくの初デートなのに、雨だなんて。
ちょっと残念に思いながらも、わたしは出掛ける支度をし、傘をさしながら糸師くんとの待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせ場所に近付くと、既に傘をさしながら待つ糸師くんの姿が見え、わたしは急ぎ足で糸師くんの元へ行った。
「糸師くん。」
わたしが呼ぶと、糸師くんはこちらを向き、微かに口角を上げ「松雪主任、おはようございます。」と言った。
「ごめんね、待った?」
「いえ、俺が早く着きすぎちゃっただけなので。」
いつもスーツ姿の糸師くんの初めて見る私服姿。
私服もさり気なくお洒落で、かっこいい、、、
「松雪主任、可愛いですね。」
「えっ!」
「そのワンピース、似合ってます。」
「あ、ありがとう。」
糸師くんに私服褒められた、嬉しい。
わたしも"糸師くん、かっこいいよ"って言いたいのに、、、恥ずかしくて、言葉が喉で止まって口に出すことが出来なかった。



