「はい、相馬です。」
「あ、お疲れ様です。総務の松雪です。」
「あぁ、松雪さん。お疲れ様。」
システムエンジニアの相馬さんは気さくな人で、システムエラーが起こるとよくお世話になるのだが、いつも感じ良く受けてくれるのだ。
「実は勤怠システムでエラーが出て、開けないんですよね。」
「あー、今時期って勤怠管理しなきゃいけないんだよね?」
「そうなんです。お忙しいところ申し訳ないんですけど、みていただいていいですか?」
「了解了解!出来るだけ早く直すようにするから!」
「助かります!」
「直ったら連絡するね!」
「はい、宜しくお願いします。」
そう言って電話を切り、とりあえず勤怠システムが復活するまで、違う仕事をしながら待つことにした。
それから一時間後、総務課の電話が鳴った。
あ、相馬さんかも。
そう思い、電話に出ようとしたのだが、わたしのデスクの電話だけが鳴っていなかった。
「はい、総務課経理の下坂です。」
代わりに電話に出てくれたのは、わたしの隣のデスクの子だった。
「はい、松雪主任ですね。お待ちください。」
「あ、もしかして、相馬さん?」
わたしがそう訊くと、下坂さんは「はい、松雪主任に代わってほしいと。」と言った。
「ごめん、わたしの電話鳴らなくて、、、そのまま電話代わってもいい?」
「はい、どうぞ。」
そしてわたしは、下坂さんのデスクの電話からそのまま代わり、相馬さんから「勤怠システム直ったよー!」と報告を受けたのだった。



