それから二週間が過ぎ、相変わらずわたしは糸師くんのことが気になりながらも、お互いの接し方に戸惑う日々は続いていた。
そんなある日の休憩時間。
わたしは食堂でカフェラテを飲みながら、ミニクロワッサンを噛っていた。
すると、すぐそばに座っていた女子社員たちの会話が聞こえてきた。
「今日から糸師さん、出張らしいよ。」
「え、マジ?糸師さんが居ないなんて、目の保養が、、、」
「一週間は帰って来ないって。」
「糸師さん、営業成績いいもんね。そりゃあ、一週間は帰って来ないはずだ。」
糸師くん、今日から出張で居ないんだ。
出張かぁ、、、忙しそうだなぁ。
そんなことを考えながら、わたしはカフェラテを飲み、一つ溜め息をついたのだった。
そしてその二日後、わたしは勤怠のエラーを確認する為にパソコンから勤怠システムを開こうとした。
しかし、エラーが出て開けず、再起動してもダメだった。
「あー、開けない。」
わたしがそう呟くと、隣のデスクの経理部の子が「どうしたんですか?」と声を掛けてきた。
「勤怠開けないのよ。」
「え!今時期、開けないのは困りますね、、、」
「相馬さんに頼むしかないかぁ。」
わたしはそう言うと、内線でシステムエンジニアの相馬さんに電話をかけた。



