君の世界は眩しかった。【完】

一花sids

舞台の千秋楽。
カーテンコールで客席に目をやったとき──
ほんの一瞬、見た気がした。

青いシャツに、スケッチブックを抱えた、あの人の姿。

でも、目をこすった次には、もういなかった。

幻でも、いい。
幻だとしても、私が見たのは“心の中の景色”だから。

いつまでも色褪せない、あの世界。
彼と過ごした、季節。

それは今でも、私の演技の根っこにある。