卒業式の朝、珍しく雪が降った。 制服のまま校門に立っていると、静かに風が通り抜けていく。 この校舎とも、教室とも、もうすぐお別れだ。 あの春から、二年。 僕は初恋をして、失って、 でもその思いを絵にして、前に進もうとした。 まだ全部忘れたわけじゃない。 きっとこれからも、時々思い出す。 でも、今はもう、涙じゃなく、 “感謝”とともに思い出せるようになった。 「ありがとう、一花。」 誰に届くわけでもない、その言葉を、 雪に紛れてそっと吐き出した