君の世界は眩しかった。【完】

一花sids

稽古の帰り道、ふとスマホを開く。
蓮くんのSNSは、ずっと更新されていない。

けれど、共通の知り合いのアカウントに、
彼の描いた新しいスケッチが載っていた。

タイトルは、《風の帰り道》。

風に揺れる後ろ姿の女の子と、
それを見つめる、影のような誰か。

“誰にも届かない愛”を、誰かに見せるような絵だった。

でも私は、ただ泣いてしまった。

彼は、まだ私を忘れていない。
でももう、彼は私のもとに戻らない。

それが、今の私たちの正解だった。