君の世界は眩しかった。【完】

その日の午後、美術部の後輩からこんな話を聞いた。

「幸野谷一花さん、次の舞台も主演みたいですよ」
「この間の舞台、観に行ったんですけど、泣いちゃいました」

僕はうなずいて、静かに笑った。

彼女は、ちゃんと自分を取り戻してる。

それだけで、十分だった。
報われなくても、想いが届かなくても、
僕の“好きだった人”が、今、ちゃんと幸せでいられること。

それが何よりも、嬉しかった。