君の世界は眩しかった。【完】

それからしばらく、二人は何も言わずに歩き出した。
そして、私は蓮くんに向かって一歩踏み出した。

「私、これからも舞台に立つ。」
その言葉を、どうしても伝えたかった。

「舞台は、私にとって“私”でいるための場所だから。」

蓮は、それを聞いて少しだけ立ち止まり、
「そうか。」とだけ言った。

そして、静かに笑った。