君の世界は眩しかった。【完】

蓮sids

図書室の奥でスケッチブックを閉じた瞬間、
誰かが静かに名前を呼んだ。

「……蓮くん」

振り返ったその先に、一花がいた。






一花が、目の前に立っている。

あの日からずっと、心の中で“描き続けて”いた人物が、
こんなにも近くに、目の前にいる。

彼女は少し戸惑ったように足を止め、
でも、すぐに言葉を紡いだ。

「……蓮くん。」

その一言が、胸を掻き乱した。

どうして、こんなにも声が震えるんだろう。

「久しぶり。」
無理に笑おうとしているのが、見て取れた。

それに気づいた私の心は、ただその笑顔を見て、
何も言えなくなった。

私たちは、遠くに行きすぎた。
それぞれが歩み続けた先に、もう一度戻るのは、もう無理だと思っていた。

だけど、今、目の前にいる一花の目は、
本当に、“あの頃”のままだった。