震える手でスケッチを持ったまま、私は鏡の前に立った。
「……蓮、くん」
名前にした瞬間、涙が止まらなくなった。
私は勝手に背を向けて、
勝手に忘れたふりをして、
勝手に“大人になったふり”をしていた。
でも、彼はまだ――
“あの頃”を覚えてくれていたんだ。
それだけで、世界が色を取り戻した気がした。
「……蓮、くん」
名前にした瞬間、涙が止まらなくなった。
私は勝手に背を向けて、
勝手に忘れたふりをして、
勝手に“大人になったふり”をしていた。
でも、彼はまだ――
“あの頃”を覚えてくれていたんだ。
それだけで、世界が色を取り戻した気がした。


