翌日、学校の屋上でスケッチブックを開く。
でも、手は動かない。
描けなかった。
紗月のことを思い出した。
「私は……たぶん、これからもあなたが描く絵を好きになると思う」
そんなふうに言ってくれる人を、僕はただ“失った”。
なのに、まだ心の奥には、一花がいる。
もう戻ることも、交わることもないと知っているのに。
「好きになってはいけなかった」
それは、きっと紗月のことじゃない。
僕が今も、心のどこかで抱えている──
一花という存在そのものに対してだった。
でも、手は動かない。
描けなかった。
紗月のことを思い出した。
「私は……たぶん、これからもあなたが描く絵を好きになると思う」
そんなふうに言ってくれる人を、僕はただ“失った”。
なのに、まだ心の奥には、一花がいる。
もう戻ることも、交わることもないと知っているのに。
「好きになってはいけなかった」
それは、きっと紗月のことじゃない。
僕が今も、心のどこかで抱えている──
一花という存在そのものに対してだった。


