君の世界は眩しかった。【完】

「……それって、今は“たぶん”?」

「うん。確信じゃない。
でも、これ以上一緒にいたら、もっと好きになってしまう気がする」

紗月は言葉を選ぶように、慎重に続けた。

「でもね、蓮くんが誰かを“忘れられてない”ってこと、たぶん、私はずっと気づいてた」

「……」

「私も、忘れられなかったから。あの人を。
だから分かるよ。
忘れようとして誰かと向き合うって、優しさみたいで、実はすごく苦しいことだよね」

言葉が出てこなかった。
何も言えなかった。

紗月は、それでも笑った。

「まだ“ちゃんと好き”じゃないうちに、距離を置こうって思ったの。
じゃないと、たぶん私、本当に蓮くんのこと、手放せなくなるから」

「好きになってはいけない」──
それは、ふたりが互いを想い始めたからこその“選択”だった。