君の世界は眩しかった。【完】

帰り道。
駅までの道は、いつもより静かだった。

ふたりとも、余計な言葉は交わさずに歩いた。

でも、別れ際に紗月が言った。

「蓮くん。私は……たぶん、これからもあなたが描く絵を好きになると思う」

その声は、どこまでも静かで、どこまでも優しかった。

「ありがとう。……僕も、君の色が好きだよ」

電車が到着して、紗月がホームに消えるまで、
僕はその場所に立ち尽くしていた。

ふたりの“恋”は、まだ始まっていない。
でも、互いの“過去”がそっと重なったことで、
未来に歩く足音が変わっていた。

夏が終わる。
でも、この感情は、終わりじゃない。