八月の終わり。
夏休みが終わる数日前、紗月が不意に言った。
「蓮くんが描いた《君の世界は眩しかった》って絵、……あれ、私、やっぱりすごく好きだった」
「ありがとう。……あれは、僕の“初恋”だった」
「……その人のこと、まだ好き?」
その問いに、蓮はしばらく黙ったあと、首を振った。
「もう好きじゃない。でも――
きっと、これからも“忘れない”と思う」
紗月は、そっと笑った。
「それ、ずるいな」
「……うん。ずるいよね」
そして、紗月は空を見上げて、こう言った。
「私も、きっと“ずっと忘れない”と思う」
それは、報われなかったふたりの恋が、
ほんの少しだけ重なり合った瞬間だった。
夏休みが終わる数日前、紗月が不意に言った。
「蓮くんが描いた《君の世界は眩しかった》って絵、……あれ、私、やっぱりすごく好きだった」
「ありがとう。……あれは、僕の“初恋”だった」
「……その人のこと、まだ好き?」
その問いに、蓮はしばらく黙ったあと、首を振った。
「もう好きじゃない。でも――
きっと、これからも“忘れない”と思う」
紗月は、そっと笑った。
「それ、ずるいな」
「……うん。ずるいよね」
そして、紗月は空を見上げて、こう言った。
「私も、きっと“ずっと忘れない”と思う」
それは、報われなかったふたりの恋が、
ほんの少しだけ重なり合った瞬間だった。


