君の世界は眩しかった。【完】


六月のある日、
僕の描いた《君の世界は眩しかった》という絵が、コンクールで入賞した。

美術の先生が教えてくれたときも、
賞状を手にしたときも、
なぜか実感はなかった。

「おめでとう、蓮!」

そんなふうに友達に言われるたびに、
“彼女がいない今、この絵に何の意味があるんだろう”
そんなことばかり考えてしまった。

ただ、評価されたのは、絵の中の彼女。
僕の目に映っていた、一花の“眩しさ”。

だからこそ、どうしても思ってしまう。

「この絵を、本当は――君に、見てほしかった」

でも、それを言う資格は、もう僕にはなかった。