君の世界は眩しかった。【完】

それから僕は、彼女を描けなくなった。

筆が止まる。鉛筆が迷う。
どんなにスケッチしても、どこかで手が止まる。

もう、目の前にいない彼女を、
“思い出”の中から掘り起こすことに、意味を感じられなくなっていた。

“報われない恋”が、“残酷な現実”に変わるまで、そう時間はかからなかった。

でも、それでも。
僕は彼女の幸せを願っていた。

矛盾してると思った。
こんなにも苦しくて、こんなにも好きだったのに――

願うことしかできないのが、どうしようもなく切なかった。