君の世界は眩しかった。【完】

春が終わり、梅雨が近づいてきた頃。

ふと開いたSNSで、一花の名前を見つけた。

《話題の新人女優・幸野谷一花が主演に抜擢。圧巻の演技に観客が涙──》

記事には、彼女の写真が載っていた。
舞台の衣装を着たまま、真っ直ぐ前を見ている。

まるで別人だった。
僕の知ってる“幸野谷一花”じゃない。

でも、間違いなく、あの子だった。

“届かない”って、こういうことなんだと知った。

「蓮くん。叶うほど、君に会いたくなるの。
叶うほど、君と話せなくなるの」

あの言葉が、心のどこかでまた疼いた。