君の世界は眩しかった。【完】

「先輩、幸野谷さんと何か合ったんですか?」

ある日、美術部の後輩にそう訊かれた。

「急にいなくなりましたし、話せなくなりましたし。……幸野谷さん、いっつも部室にいたんですけどね」

僕は少しだけ考えてから、答えた。

「夢を追いに、行ったんだ」

「夢?」

「うん。それだけ。……それだけ、なんだ」

それがどれだけのことか、どれだけの代償だったのかは、言葉にしなかった。

夢を選んだ一花を責めることはできない。
でも、それでもやっぱり……心がついていけなかった。