君の世界は眩しかった。【完】

それからの日々は、思っていたよりも静かだった。

一花がいないことに、誰もが慣れていった。
クラスの笑い声は変わらず響いていて、廊下の光も同じように射し込んでいた。

でも、僕の中だけが、季節の時計を止めたままだった。

美術室に彼女の姿はない。
携帯に彼女の名前が光ることもない。

目を閉じても浮かぶのは、遠ざかっていく背中ばかりだった。

誰も悪くないはずなのに、どこかで「奪われた」ような喪失感が拭えなかった。

“君の世界は、もう僕のものじゃない”

それが、やけに現実的だった。